探偵の寝言
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寝言と会話

それから。
当然、わたしの楽しみは、起きる寸前の彼の寝言と会話すること。
毎日話しかけてしまっては、彼が疲れてしまうかもしれないので、その楽しみは、1週間に2回か3回で我慢することにしていた。

一番最初に彼が暴露してしまった調査内容。
あのあとも、知っているふうに話しかけてみると、けっこう詳しい話しをしてくれたのだ。
その話し方から、どうも、夢の中で彼と共同経営している友人と話ししているようだった。

女の子の風俗の調査かと思いきや、それは、付き合っている彼女の勤務先を調べてほしいというものだったみたいです。
貸したお金をいきなり返してきたからおかしい、だの、やっぱり普通の事務員っていうのはうそだったんやな、とか答えていたので。
それと会話するわたしのほうも、会ったこともない、彼の友人を意識して、自然と男っぽい話し方になってしまうことに、自分で笑ってしまいそうだった。

探偵と言っても、いつも調査をしているわけではなさそうだ。
調査にかかわること意外は、けっこう話してくれたりします。

調査以外の大事な仕事(彼曰く)。
それは、ポスティングという、歩いて(というか走って?)チラシを配るというお仕事。
一日中、チラシを抱えて歩きまわるというのは、想像しただけでも疲れますよね。
彼の表情からもそれは見てとれました。
しかも、田舎というか、住宅密集地でないところを配ると、思ったより枚数もはけていなくて、余計疲れるみたいです。
帰ってきた彼の表情も最悪。

逆に、調査中と思われる日の彼は、目つきが明らかに生き生きしているので不思議です。
チラシを配ってきた日は、やたらおしゃべりします。
まず、帰ってきたときの第一声は、“疲れた〜!!!”
とくに何も言わず、ビールを出してあげると、おかずをつまみ代わりに飲みながら、その日チラシを配っていて出会ったおもしろい話しを教えてくれるのだ。

なので、逆に調査してきたときの、妙な沈黙感が、その日は調査してきたんだなっていうサインみたいなもの。
しゃべってしまいたいのに、正義感が邪魔して、自然と会話ができない。
彼本人が、その違いに気が付いていたのか、いなかったのか?

そのサインがあった日が、起きぬけの彼に話しかけるタイミングでもあったのです。